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苔テラリウムの育て方の基本



ここでは苔テラリウムの育て方の基本事項を、最も大切な二つのポイントに絞って解説します。


①置き場所について


苔テラリウム管理の最も大切なポイントが置き場所です。


気をつけるポイントは二つ


・熱はこもっていないか?

・明るさは適切か?


以下で少し詳しく見ていきます。


熱がこもっていないか?


苔テラリウムは中の湿度を保つため、通常はフタをつけて育てます。

フタのついた苔テラリウムは必然的に熱がこもりやすくなります。


例えば、通常の植物と同じように、日光の当たる窓辺などに置くと、熱がこもり、内部は蒸し風呂状態になってしまいます。

苔は高温がとても苦手です。必ず日差しを避けた場所に置きましょう。

季節や条件にもよりますが、レースカーテン越しの光でも熱がこもる場合が多いので注意してください。


日光が当たっていなくとも、暖房の風が当たっていたり、テラリウムを置いている棚の下に照明が付いており、じわじわと熱が伝わっていたり、ということもあるので、周囲をよく見ることも大切です。


また、夏場の屋内は非常に高温になります。

可能な限り30℃(理想的には25℃)を超えないよう管理してあげると良いでしょう。

とはいえ、それは難しい場合が多いと思います。

例えば連日35℃を超える環境に置かれる場合は、冷蔵庫での保管も検討してください。

状態の良い苔は基本的に冷蔵庫に2ヶ月程度保管してもほとんど傷みません。

(ただし、出し入れはあまりしない方が良いでしょう)


北側窓辺は最適な場所


明るさは適切か?


ただ一方で、十分な明るさがないと、徐々に元気をなくしてしまう植物でもあります。

苔は暗いところが好き、と思われるかもしれませんが、植物である以上、ある程度の明るさは必要です。

実際のところ、明るさが足りずに苔テラリウムに失敗する方はとても多いと思います。


では、どの程度の明るさが必要なのでしょうか?

明るさ自体は安価な照度計で手軽に測ることができますが、数値でいうと、最低でも500 lux、元気に育てるのであれば1000 lux以上は必要です。事務仕事をするオフィスの明るさは750 lux以上とされているので、大体この程度は必要ということになります。「明るいオフィス」のイメージはあるでしょうか?住宅に比べると、かなり明るいのがわかるかと思います。


窓際を除くと、お部屋の多く場所は暗すぎるので、基本的にはライトは必須と考えた方がよいです。もちろん、窓に近い場所であればライトなしで育てることも可能ですが、窓の近くは、直射日光が当たる場合が多いため、置き場所はかなり絶妙になります。例えば北側の窓辺などは絶好のポイントになるでしょう。苔テラリウムを確実に育てるため、安価なものでもよいのでライトの使用をおすすめしています。


照明をつけると育ちがよく魅力も増す



②水やりについて


苔テラリウムの水やりは、「土が適度に湿っている状態をキープする」というのが本来の説明になります。苔は水蒸気や水を体全体から吸収しますので、容器内の湿度を安定して保ってあげる必要があります。土が適度に湿っていれば容器内の湿度も安定して高い状態をキープすることができます。


ただ、この説明は本質的なのですが、土の最適な湿り具合がわからない、という方がほとんどだと思います。このため、目安として、「2-3週間に一度、水差しで水をあげる」という形で提案しています。(基本的には霧吹きはおすすめしていません)



先の細い水差しが使いやすい


ですが実際には、水差しでどの程度あげるかにより当然、土の乾くスピードは変わります。またどういうサイズや通気性の容器を使用しているか、周囲の環境はどうか、という点でも大きく変わってきますので、実際にはあくまで参考程度と考えください。


「最適な土の湿り気」、というのは、プロでない限りわからないと思いますが、干からびた土、あるいはズブズブになった土、というのは土を見れば、あるいは土に触ればわかるかと思います。土の湿り気についてはそれほど繊細なものではないので、例えば、まずは3週間に一度程度水をやり、土が干からびるようならもっとしっかりあげる、ズブズブになるようなら水を減らす、控える、という形で調整していくのが良いかと思います。


土の湿り具合により色合いや粒感が変わる

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