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ハイゴケの特徴




ハイゴケとは


ハイゴケ科 ハイゴケ属 ハイゴケ

学名:Hypnum plumiforme

※多くのソースにはH. plumaeformeと書かれていますが、現在はH. plumiformeに修正されているそうです。


非常に育てやすく栽培量も多いため、最もポピュラーな苔の一つです。

芝生に生えることも多く、その場合は迷惑な存在でもあります。


適応の幅が広く、病気も起こりにくいため、庭園では「困ったらハイゴケ」というくらい使い勝手が良いですし、苔玉にも最も多く使用される苔でもあります。


本当に状態の良い時のハイゴケはびっくりするほど鮮やかで、ツヤがあります。(そういった状態で育っている庭はあまり見かけませんが)


ぷっくりツヤツヤに育ったハイゴケ


"這苔"というくらいなので、やはり這いながら育ちます。

仮根で岩などにくっつくこともありますが、苗を普通に植えても土にくっつくことはほとんどなく、土に"乗っかった"状態で育っていくことになります。


このため、風やちょっとした物理的刺激で飛んだり崩壊しやすい、という側面もあるので、施工管理はその点をしっかり考えて行う必要があります。



・ハイゴケの好む日照条件


苔の中では比較的直射日光にも耐えられる方ではありますが、決して日光に強いわけではありません。地域によっては全日照でも育つようですが、例えば鎌倉では、夏場昼間の日照が2時間を超えると劣化しやすくなるようです。

半日陰や明るめの日陰程度が良いようで、明るさが足りないと、ぷっくりツヤツヤには育たず、やわらかくか弱い感じに育ちます。


松の下などで非常によく育ち、松林そのものが栽培地に使用されることもあります。

植栽した場所でも、松の下はびっくりするほど育ちが良いです。


松の葉を挟むくらいの微妙な反日陰が好みなのか、ひょっとしたら松からの成分が成長を良くするのか、、いつか検証してみたいと思います。


ハイゴケだらけの松林




・ハイゴケの庭園での管理


植栽の際は、しっかり育った面を表面に均一に出し、綺麗に仕上げる必要があります。特に環境が過酷な場所では植栽時の仕上がりがその後の定着に大きく影響します。


また先に述べたように、基本的に土に着かず、土に乗っかっている感じで育つので、普通に植え付けただけでは、簡単に動いてしまいます。

踏んだだけでずれたりすることもあるかもしれませんし、ブロワーを使うとあっという間に吹き飛ばされます。場合によっては強風で飛ばされることもあるでしょう。


確かに、吹き飛ばされても簡単に元に戻すことはできるのですが、

苔は動くことにストレスを感じるようで、剥がれては戻す、ということを繰り返すと、やはり弱っていってしまいます。しっかり固定し、動かさないようにしましょう。


ハイゴケからは比較的雑草が生えにくいようです。ハイゴケは「モミラクトン」という物質を産生するようで、このモミラクトンが雑草の発芽阻害を行っているためかもしれません。その点でもハイゴケは非常に使いやすい苔です。おまけにハイゴケは病気にも比較的かかりにくく、他の苔が菌に侵されている真横で、元気な顔をしているところを見かけます。


菌(おそらくリゾクトニア属菌)にツヤゴケとオオシッポゴケが侵されているところ。上はハイゴケで、菌に侵されることもなく、元気にしている




・庭園以外での使い方


ハイゴケは、安価で生命力があり、シート状に育つためか、苔玉によく使用されます。

ただし、ハイゴケの苔玉を屋内でうまく育てるのは至難の技。基本的には屋外管理が必須と考えてください。屋外でも上記の日照条件に合った場所で育てるのが必須。暗い場所や、陽の当たりすぎる場所は避けてください。

特に苔玉は構造上360°明るい必要があるので、裏側もある程度明るくなっているか、しっかり意識する必要があります。棚に置くと裏側が暗すぎて育たない、ということがありがちです。


テラリウムで育てることも可能ですが、非常に徒長しやすいため、通気の強めに入った容器(開放度の高い容器)を使用する必要があります。通気性の低い容器、弱い光では、どんどんヒョロヒョロとして、弱っていきます。






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