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ゼニゴケを駆除する方法①



苔は日本の庭園に好んで植栽されますが、一方で嫌われてしまう苔もあります。その代表格が「ゼニゴケ」です。


正確にいうと、ゼニゴケだけでなく、その仲間(例えばジャゴケや、ホソバミズゼニゴケなど)であることも多く、とにかくこういった、ベタベタ系の「ゼニゴケ類」は嫌われます。


鎌倉はとてもゼニゴケ類の生えやすい環境のようで、多種多様なゼニゴケ類が生えており、「ゼニゴケをなんとかしたい!」という声をよく聞きます。


トップの画像はジャゴケとフタバネゼニゴケが混生していますが、違いがわかるでしょうか?これは比較的綺麗に生えて見えますが(見えない方も多いかもしれませんが)、確かに生え方によってはかなり気持ち悪い状態になります。


ミカヅキゼニゴケ、ケゼニゴケ、ジャゴケ

ジャゴケが雄器床をつけた様子

さて、前置きが長くなりましたが、ここではゼニゴケ類を駆除する方法、その①として、庭園管理の際にゼニゴケ類をどう取り除いているか、紹介します。



①剥がす、削る


ゼニゴケ類は横に這うタイプの苔ですが、長く放っておくと、枯れたゼニゴケ類にまた新しいゼニゴケ類が乗っかるように生えていき、場合によっては数cmの分厚いゼニゴケ層ができていきます。


そんな中でも春先、健気に"良い苔"が隙間から生えてきたりすることもあるのですが、結局季節が進むとゼニゴケ類に覆われていき、最終的に消滅していきますので、ある程度までいってしまったら、諦めてまとめて全体を剥がすしかないと思います。


剥がす際は、ねじり鎌と言うのでしょうか?こんな感じのものを使っています。 石についたものは、剥がすというより、削り取る感じになります。




②ピンポイントで薬剤をつける


ゼニゴケ類が層を成すほど発達していない場合、広がり始めている段階では、ゼニゴケ類に筆を使ってピンポイントで除草剤を塗る、というやり方が効果的です。完全に全体に塗る必要はなく、ちょんちょんと筆で部分的につけてあげればやがて個体全体に広がり、枯れていきます。


あとひと月もすると全体をゼニゴケ類が多います。今のうちに"チョン付"をします

筆でちょんちょん付けていきます。(本当は手袋をした方が良いです)

原始的な方法に見えますが、これが結局一番確実に感じます。そしておそらく想像以上に作業は早いです。

ゼニゴケ類を手で剥がす、という方法も取られますが、"ちょん付け"よりも何倍も時間がかかりますし、下の"良い苔"が一緒に剥がれ、傷めやすいです。特に仮根が発達する6月以降はおすすめしません。4月5月のゼニゴケ類の芽出しシーズンはまだ仮根が発達せず剥がしやすいため、場合によっては指やピンセットで剥がす方が良いこともあるかもしれません。


"ちょん付け法"の欠点は、すぐに効果がでないことです。除草剤として一般的なランドアップを使用する場合、日陰地では結果が出るまでに3〜4週間かかることもあります。明らかに枯れなくても、塗った直後から成長は基本的に止まります、ただ、すぐに綺麗にしたい、という場合は使えません。


枯れたゼニゴケ類は、すぐに剥がれるわけではないですが、徐々に風化して消えていきます。また、周りの苔の勢いが優ってくるので、気づいた時には消えているものですが、必要に応じて、枯れたものをピンセットで削ります(枯れてしばらくすると簡単に削り取れるようになります)



その他の方法

今回の記事は、苔庭の管理を前提として紹介しています。

ゼニゴケ類を駆除するだけであれば、例えば木酢液であったり石灰であったり、専用の駆除剤であったりが様々なページで紹介されているので、そちらを参照されるのがよいかと思います。

ただし、これらはゼニゴケ類に効果はあるかもしれませんが、ゼニゴケ類だけでなく、他の"良い苔"も枯らします。そして今の所、ゼニゴケ類だけを選択的に枯らす方法は見つかっておらず(これが見つかれば大発見です!)、程度の差こそあれ基本的にどの苔も傷めてしまいます。

ですので、ただ苔を全て枯らしたい、剥がすのも面倒!という時は使うこともできると思います。



ゼニゴケ類を生えにくくする方法、についてはまた改めて紹介したいと思います。


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